専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間 又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」が改正されました〜労働者派遣事業などで使われる「合意された手続」の指針って何?

■ 合意された手続(AUP)ってなに?

合意された手続(Agreed-Upon Procedures)」とは何かをご説明します。

これは、公認会計士と依頼者(企業など)があらかじめ合意した“特定の確認作業だけ”を行って、その結果を報告するという業務のことです。
たとえば、「この中間決算書の資産合計だけ確認してほしい」や「特定の銀行残高が本当にあるかどうかだけ確かめてほしい」といった依頼に対し、公認会計士がそれをチェックして“見たまま”を報告する、というシンプルな業務です。

監査のように「意見を述べる」ことはせず、あくまで事実確認にとどめる点が特徴です。


■ なぜ使われるの?~派遣業許可の場面で大活躍!

この「AUP」は、労働者派遣事業などの更新手続きでよく使われます。なぜなら、厚生労働省の審査では「財産的基礎を証明する書類」として、会計士のチェック済みの中間決算書などが求められるからです。

ただし、正式な監査を受けると費用も時間もかかります。
そこで、もっと簡易的に必要な部分だけチェックしてもらえる方法として、この「合意された手続」が活用されているのです。


■ 実務指針4450って何? どうして改正されたの?

ここで出てくるのが「専門業務実務指針4450」というルールです。

これは、公認会計士が労働者派遣事業許可申請を望む会社のために中間・月次決算書をチェックする際、どんな手順でどんな点を確認すべきかを定めたガイドラインです。

この指針はもともと、会計士が仕事を行う上での統一ルールとして定められていましたが、時代とともに見直しが必要になりました。

その背景には、2021年11月に「合意された手続業務に関する実務指針4400」の改正があったためです。これに合わせて、関連する指針も整理し直す必要があり、「4450」も含めて改正が行われたというわけです。


■ 今回の改正で何が変わったの?

今回の改正は、実務の流れを大きく変えるものではありません。
ただし、次のような点が整理・明確化されました:

  • AUP業務において確認すべき手続の記載方法や範囲が、より分かりやすくなった
  • 報告書の記載例などが、現行の実務に沿った形で見直された
  • 依頼者と会計士が合意すべき内容がより明確に示された

つまり、「手続が形式的になりすぎず、依頼者の目的に合った形で行われるように」整備されたというのが今回の趣旨です。

会計士の側も、依頼者の実情に応じて、柔軟に対応しやすくなったと言えるでしょう。


■ 他にも改正された関連指針は?

実務指針4450のほかにも、同じようなAUP業務に関する以下の指針も合わせて改正されました:

  • 4451:産業競争力強化法における「事業再編計画」などの資金計画に対するAUP
  • 4452:農業競争力強化支援法に関する同様のAUP

つまり、いろいろな制度で使われている「合意された手続」全体について、ルールを統一的に整理した、というのが今回の改正の全体像です。


■ これから許可申請・更新をする方へ

これから労働者派遣事業の許可の更新申請を予定している方にとっても、今回の改正は非常に重要です。

なぜなら、会計士に依頼する際の基準が明確になり、無駄な手間やコストがかからない形で必要書類が整えられるようになったからです。

当事務所では、この改正に対応した最新の実務にもとづき、最低9,800円からAUP報告書を作成しております。

「何をどう依頼すればいいかわからない」という方にも、やさしく丁寧にご案内いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。


■ まとめ

「実務指針4450の改正」と聞くと難しそうですが、その中身は、企業や個人が派遣事業などの許可をスムーズに取得・更新できるように整備されたルールの見直しにすぎません。

公認会計士に依頼する手続が、より分かりやすく、柔軟に、かつ安心して利用できるようになったというのが今回の大きなポイントです。

これから許可申請を検討している方は、ぜひこうした制度をうまく活用して、無理なく、無駄なく手続きを進めていきましょう。


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