経済・金融情報
国民生活金融公庫を上手に利用しませんか
資金繰りのお悩みはございませんか?
事業をしていると、どこからお金を調達してくるかというのは何より頭の痛い問題です。
「中小零細企業でも申し込めば簡単にお金を貸してくれて、金利が安くて、担保や保証人も要件がそれほど厳しくない金融機関はないかしら?」と誰しも思います。
実際にはそんなに都合よくお金を貸してくれる金融機関はありません。
しかし、そんな経営者の希望に最も近い金融機関を挙げるとすれば、それは「国民生活金融公庫」でしょう。
国民生活金融公庫というと随分お堅いイメージですが、「国金(こっきん)」と言えば、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
借入れをする際には、借りられるかどうかが最も大きな問題になりますが、金利や融資期間などの条件も非常に重要です。
国民生活金融公庫からの借入れは、「借りやすい」・「低金利」・「長い融資期間」の3条件を満たしていますので、中小零細企業の資金調達としては最も有利な方法だといえます。
→ 国民生活金融公庫からの借り入れについてご不明な点はございませんか? 当財団法人では、皆様からのご相談に無料でお答えしています。こちらからメールでお問い合わせ下さい。
民間の銀行よりも借りやすい
国民生活金融公庫は民間の銀行よりもお金を借りやすいといわれています。
これは本当でしょうか?
実際のところは半分正解で半分不正解です。
なぜなら、国民生活金融公庫も民間の銀行と同じように返済できるアテのないお金は貸してくれないからです。
お金を貸してくださいと国民生活金融公庫に行けば、借りたお金の使い道や、返済の予定などを尋ねられます。
そして、ここで事業計画などをキチンと説明し、十分返済が見込まれると判断されなければ、国民生活金融公庫といえどもお金は貸してもらえないのです。
では、銀行や信用金庫はどうでしょうか。
お金を貸してくださいと銀行や信用金庫に行けば、やはり国民生活金融公庫と同じことを質問されます。
借りたお金の使い道や、返済の予定などを尋ねられます。
もしここで事業計画などをキチンと説明し、十分返済見込まれると判断してもらうことができれば銀行や信用金庫もお金を貸してくれます。
結局、国民生活金融公庫も銀行も十分返済が可能であることを合理的に説明できればお金を貸してくれますし、それができなければお金は貸してもらえないのです。
これは当然のことです。
この「返済が十分可能であることを合理的に説明して納得してもらう」ということが非常に困難であることは、中小零細企業の経営者のみなさんや個人事業主の皆さんはよくご存じだと思います。
そうすると、国民生活金融公庫も銀行と同じで、やっぱりお金を借りるのは難しいということなのでしょうか。
そうです。
国民生活金融公庫といえどもお金を借りるのは難しいのです。
けれど、国民生活金融公庫は民間の銀行と決定的に異なる点があります。
それは、国民生活金融公庫が国が作った金融機関であるという点です。
国民生活金融公庫は国民のための金融機関なのです。
このことは、民間の銀行が営利目的で貸付を行っているのと違い、国民生活金融公庫は国民経済が発展し皆が幸せになるために貸付を行っているということを意味します。
営利を最大の目的とする銀行であれば、貸付先としては大企業で財務内容の健全な会社にこそ貸したいと考えます。
中小零細企業は後回しになってしまいます。
国民生活金融公庫はそのような中小零細企業であっても、親身になって相談に乗ってくれます。
そして、中小企業の視線で一緒に資金の問題を考えてくれます。
民間の銀行に対しては、借り手側が相当の資料をそろえて準備万端で望まなければ話をしてくれないのに対して、国民生活金融公庫であればこちらの話を色々と聞いてくれます。
銀行に対して何を伝える必要があるのかピンとこない経営者の方々にはこんなに親切な金融機関はありません。
その意味でも国民生活金融公庫は敷居が低いといえます。
開業のための資金も貸してくれる
もし、あなたが今、新しく事業を始めようとしますと、当然開業のための資金が必要になります。
そこで、近くの銀行に行って、「開業のための資金を貸してください」と頼んだとしましょう。
あなたは融資をおそらく断られます。
原則として銀行は、実績のない一般人の新規開業のための資金を貸してはくれないのです。
理由は「実績がないから」ということに尽きます。
お金を借りられないのは決してあなたに落ち度があるからではないのです。
考えてみれば、実績のない相手とは取引をしないというのは何も金融機関に限ったことではありませんので、これは致し方ないことかもしれません。
最近は、民間の銀行も地域経済の活性化のために、新規開業を応援しますというキャンペーンを実施しているのを見掛けます。融資のラインナップとしても、新規開業者に対するものが用意されています。
しかし、このような宣伝はされていても、銀行としては絶対に取りはぐれのない貸付けを増やすことが重要ですので、例えば新しく開業するお医者様のように、かなり恵まれた状況で事業をスタートする方々をターゲットとしています。
ですから、普通に開業資金を借りたいと考えている多くの方々にとっては民間の金融機関は少し敷居が高いのです。
けれど、資金がなければ店舗を構えることもできませんし、商品を仕入れることもできません。
開業に必要な資金をすべて自己資金でまかなえるようなケースは少なく、実際に新規開業にあたっては、開業資金をどのようにして調達するかが非常に大きな問題となります。
こんな時に頼りになるのが国民生活金融公庫です。
国民生活金融公庫ならば開業のための資金を貸してくれます。
国民生活金融公庫は民間の銀行と違って、実績がない会社も受け入れてくれるのです。
つまり、国民生活金融公庫は将来性や夢を買ってくれる度量の大きいところを持ち合わせているということです。
特に、民間の銀行が引き受けてくれない融資を引き受けるのが公的金融機関たる国民生活金融公庫の役目ですので、新規開業の資金こそ国民生活金融公庫が最も活躍する場面だといえるでしょう。
ただし、この場合でも国民生活金融公庫の審査に通るためにはいくつかのポイントがあります。
まず、しっかりとした計画を立てていることが必要です。
民間の銀行のように、実績の延長線上に計画を立てることを要求されることはありませんが、当然それなりの根拠を示して説得力のある計画を立てていなければなりません。
この計画を、初めて事業をおこす方々に完璧なものを要求するのは酷かもしれません。
そのことは国民生活金融公庫も十分理解してくれています。
多くの中小零細企業を相手に融資を行っている国民生活金融公庫ですので、担当者が計画についても親身になって相談に乗ってくれます。書類として上手にまとめることができない場合でも、国民生活金融公庫の担当者がヒアリングのなかで上手に答えを引き出してくれることもしばしばです。
こちらが、これからはじめる事業についてしっかりとした計画を立てていれば、国民生活金融公庫の担当者も「なるほど。
これなら事業としてやっていけるし、返済も滞りなく進められる」と納得してくれることでしょう。
そうなれば、あなたは新規開業の資金を調達することができます。
ただし、開業資金の30~50%は、自己資金を用意するのが原則です。
つまり、借入金ですべてをまかなえるわけではないのです。
国民生活金融公庫の貸付いろいろ
国民生活金融公庫には、何種類もの融資の制度があります。
詳しくは、国民生活金融公庫のホームページをごらんになってください。
国民生活金融公庫のサイトはこちら http://www.kokukin.go.jp/
初めて見ると、種類が多すぎてどれを選べばよいのか迷うほどです。
しかも、これ以外にも特別な融資制度がありますし、制度の変更も頻繁に行われています。
ですから、実際に国民生活金融公庫から融資を受けようとする場合には、国民生活金融公庫の窓口でどの融資制度を受けるのがいいかを質問してみましょう。
国民生活金融公庫の窓口で相談する場合には、最初に普通貸付を検討することになります。
しかし、無担保・無保証人で借りたい場合や長期間借りたい場合などは希望を国民生活金融公庫の担当者に伝えれば、あなたに合ったピッタリの融資制度を紹介してくれます。
業種などによっても受けられる融資制度が異なってきますので、希望する金額や資金使途などを国民生活金融公庫の担当者にざっくばらんに相談するのが一番良いでしょう。
まずは普通貸付
一般的に利用されているのは「普通貸付」です。
普通貸付であれば業種に特段の制限はありません。
融資限度額は4800万円(特定設備資金は7200万円)もありますので、普通の中小企業の運転資金などについては十分過ぎるほどです。
実際に国民生活金融公庫で融資を受けている方々の平均的な借入額は300万円~500万円です。
ですから、ほとんどの場合はこの普通貸付で用が足りると考えられます。
保証人または担保が必要とされており、少額の借入れの場合には保証人を用意するだけで融資が受けられます。
反対に、担保が十分であれば保証人なしで融資を受けることもできます。
金利も長期固定金利で1.55%(平成17年9月30日現在)と非常に低く設定されています。
固定長期で1.55%は破格の低金利!
近頃は超低金利などと言われていますが、普通の銀行から中小企業が融資を受ける場合には、年利2%程度が一般的な金利の水準です。
実際に銀行から融資を受けるためには、信用保証協会などに保証料を支払う必要があります。
これが1.35%程度ですので、合計で3.35%程度の資金調達コストが必要です。
国民生活金融公庫ですと1.55%の金利だけで済みます。
ですから、銀行から借りるのと比較して国民生活金融公庫は資金調達コストが約半分です。
国民生活金融公庫の金利は、原則として長期プライムレートと同水準に設定されています。
「長期プライムレート」という言葉は、借入れの経験があまりない方には馴染みのない言葉かもしれません。これは日本語にすると最優遇貸出金利ともいわれるもので、標準的な優良企業に長期の資金を供給する際に適用される金利です。
ですから、企業が長期で資金調達する際にはかなり低い金利です。
多くの企業は、この長期プライムレートにいくらかの上積みをして市場や金融機関から資金調達しています。
ですから、国民生活金融公庫が長期プライムレートと同水準の金利で中小零細企業に貸してくれるのは、金利の負担が非常に軽く済んでいるという意味で非常にありがたいことなのです。
また、同一の融資制度であれば、業種、規模や営業年数などにかかわらず誰でも同じ金利で借りられるというのも国民生活金融公庫の大きな特徴です。
規模が小さかったり、営業年数が短い場合などは、銀行からの借入れ金利は高く設定されます。
この点からも、国民生活金融公庫がわれわれ中小零細企業の味方であることが本当によくわかります。
もし、自動車を買い替える検討をされているようでしたら、一度自動車ローンと国民生活金融公庫の金利を比べてみてください。
自動車のローンがキャンペーンなどで特別に低く設定されているなど特殊なケースを除いて、普通は国民生活金融公庫の金利の方が随分低いことに気付かされることでしょう。
次回の乗り換えの際には是非、国民生活金融公庫をご利用ください。
変動金利と固定金利
金利には「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。
「変動金利」は、市場の金利動向によって、将来の支払利息の利率が変動するものです。
今後、景気が良くなり世間一般の金利が上昇すれば、既に融資を受けている借入金についても以後支払う金利は高くなります。
反対に、世間一般の金利が低下すれば、既に融資を受けている借入金についても以後支払う金利は低くなります。
これに対して、「固定金利」は、融資を受ける時に取り決めた利率が、返済終了まで続くものをいいます。
国民生活金融公庫では、固定金利でお金を借りることができます。これは非常にありがたいことです。
固定金利がなぜありがたいかといいますと、将来の金利負担が大きくなる心配がないからです。
変動金利ですと、金利が上がれば、銀行に支払う金利がどんどん大きくなり、毎月の返済額が大きくなり資金繰りが苦しくなります。
これに対して、固定金利ですと、世間一般の金利が上がっても、会社が金融機関に支払う金利は上がりません。したがって、毎月の返済額も大きくなりませんので資金繰りが安定します。
仮に、世間一般の金利が下がった場合(超低金利の昨今、これ以上の金利低下はあまり見込まれませんが)、会社は一旦金融機関にお金を返してしまい、新たに同額を借り替えれば、新しい低い利率で計算した金利を負担するだけでよいことになります。
結局、固定金利ですと、今後の金利動向がどちらに転んでも会社が損をすることがないわけです。
特に金利が上昇すると見込まれるとき場合には固定金利で資金調達することが望まれます。
返済期間が長い
銀行からの借入れは、通常1年以内に期限の到来する短期借入れとなります。
信用保証協会の保証があれば融資期間が10年以内といった長期の借入れが可能ですが、銀行がリスクをとって貸付ける場合は、融資期間が1年以内となるのが一般的です。
期限が到来すれば一旦は返済しなければなりませんが、運転資金は継続して必要となるものですから、再度銀行から同額を借りることが必要になります。
このように、銀行からの借入れによった場合は、短期借入れを借り換えで転がして行くことになります。
会社の業績が安定していれば、このような銀行からの短期借入れでも問題ありません。
しかし、一旦業績が落ち込むと銀行は借り換えに難色を示します。本当はそのような時にこそお金を借りたいものですが、銀行はそれを許してくれません。
「雨の日に傘を取り上げる」といわれる所以です。
短期借入れは銀行にとって都合の良い制度です。
なぜなら、融資先の業績が落ち込んで、回収が難しそうだということになれば、さっさと手を引くことができるからです。
つまり、銀行からの借入れが短期借入れになっているのは、すべて銀行の都合なのです。借りる側にとっては長期借入れが有利なのは明らかです。
中小零細企業の味方である国民生活金融公庫は普通貸付の場合でも5年間貸してくれます。
これなら徐々に返済をしていくことができますので、資金繰りは非常に安定します。
銀行のように、業績が悪化したのですぐに全額返してくださいなどということはありません。
この点でも国民生活金融公庫は借り手の立場を理解してくれるありがたい金融機関なのです。
長期ほど金利は高いもの
ところで、銀行が長期の資金を融通してくれないかといいますと、そうとばかりは限りません。
財政状態が良好な大企業には長期で資金を融通することもあります。特に信託銀行などは長期の貸付に積極的ですし、生命保険会社なども長期の資金を貸してくれます。
ただし、これらの金融機関から長期の資金を借りた場合には、原則として短期で借りる場合よりも金利は高くなります。
なぜなら、短期であれば銀行がいつでも回収できますが、長期であれば会社の業績が悪化して倒産しそうだとわかってもすぐには回収できないリスクがあるからです。このリスクに相当する分だけ長期の借入金利は高く設定されます。
ところで、先ほどもありましたように、国民生活金融公庫は長期の固定金利が現在のところ1.7%と非常に低く設定されています。短期と長期を区別せずに普通の銀行と金利を比べても国民生活金融公庫は低金利でした。ここに、短期と長期の区別を考慮しますと、実は国民生活金融公庫の金利は見た目以上に安いとういことがわかります。
やはり国民生活金融公庫は中小零細企業のことを親身に思ってくれている金融機関なのです。
無担保でも借りられる
金融機関からお金を借りるときには、担保として土地や建物などの不動産を差し出すことが一般的です。これは、借り手が返済できなくなった場合でも、担保となっている不動産を処分して得たお金から金融機関が優先的に弁済を受けるためのものです。担保があれば、金融機関は取り逸れがなくなります。
国民生活金融公庫からの借入れに際しても、担保は必要となります。借入れが2000万円、3000万円と大きくなれば、保証人だけでの借入れは難しく、一般的に担保が必要となります。
しかし、1000万円位までの少額の借入れであれば保証人だけでも貸してもらえます。中小企業が運転資金の借入れを申し込むのは、300万円前後の金額が多いのではないでしょうか。このような場合、保証人の資力が十分であれば担保は必要とされないケースも多くみられます。
不動産担保は7掛けで評価
国民生活金融公庫であっても、多額の資金を借りる際には担保が必要となります。
担保を考える際に忘れてならないのは、不動産は時価の7掛けで評価されるという点です。例えば、時価1億円の不動産は担保としては7千万円の借入れをカバーできるということです。
このように担保価値を辛く評価することを「掛け目」と呼ぶことがあります。担保に入れる不動産は値下がりするリスクがありますので、国民生活金融公庫としてもこれを時価100%で評価せず、あらかじめ余裕をみておく意味で掛け目を70%としているわけです。
このような「掛け目」の仕組みがありますので、借入金とほぼ同額の不動産を持っているとしても安心はできません。70%で評価した金額で借入金をカバーできるかどうかを検討しなくてはならないのです。
保証人がいなくても借りられる
金融機関からお金を借りるときには、保証人を第三者にお願いすることが一般的です。これは、借り手が返済できなくなった場合でも、保証人から金融機関が弁済を受けるためのものです。保証人がいれば、金融機関は取り逸れがなくなります。
国民生活金融公庫からの借入れに際しても、保証人は必要となります。
しかし、担保が十分あれば保証人なしでも貸してもらえます。
また、担保も保証人もなしで貸してくれる制度が国民生活金融公庫にはあります。「経営改善貸付(マル経融資)」と「新創業融資制度」の2種類です。
さらに、保証人は一般に第三者であることが要求されますが、経営者の奥さんや従業員が保証人となることを認める「第三者保証人等を不要とする融資」の制度もあります。
いずれも融資限度額は小さなものでしかありませんが、保証人を用意するのはなかなか難しいものですので、これらの制度は非常にありがたいものだといえます。
「経営改善貸付(マル経融資)」とは?
経営改善貸付(マル経融資)」とは、商工会議所や商工会などの推薦によって、保証人も担保も不要で、国民生活金融公庫から融資を受けられるという制度です。ただし、この融資制度を受けるためには以下のような条件があります。
マル経融資の条件
事業規模(従業員数) :商業・サービス業… 5名以下
製造業・その他……20名以下
指導要件 :商工会議所等の経営指導を6ヶ月以上受けていること
納税要件 :納期の到来した税金は完納していること
許認可要件 :許認可業種はその許認可を得ていること
また、マル経融資の限度額等の条件は以下のとおりです。
資金使途 :運転資金・設備資金
融資限度額 :1000万円(本枠550万円+別枠450万円)
返済期間 :運転資金5年以内。設備資金7年以内。
返済方法 :毎月元金均等返済(6ヶ月以内の据置期間あり)
担保・保証人 :担保・保証人は不要
商工会議所等の推薦がなければ受けられない融資ですので、お金を貸してくれるのは国民生活金融公庫ですが、国民生活金融公庫の窓口を直接訪ねて「マル経融資をお願いします」と頼んでも貸してはもらえません。
まずは、商工会議所等の推薦をもらうことが必要となります。
商工会議所って何?
マル経融資を受けるためには商工会議所等の推薦が必要になることはわかりました。けれど、皆さんは商工会議所をご存じですか?
商工会議所は、地域の商工業者の利益を目的として色々な活動を行う団体です。商工会もよく似た団体です。
商工会議所と商工会がどう違うかといいますと、最大の違いは区域の違いです。商工会議所は都市部をその区域としています。それに対して、商工会は町村をその区域としています。商工会議所と商工会の地区は重複しませんので、事業所の所在地によってどちらに入るかは自然と決まります。また、商工会議所も商工会も地域を基盤とする団体ですから、事業所の所在地によって、どの商工会議所(或いはどの商工会)に所属するかも決まります。
もし、商工会議所(地域によっては商工会)の会員になっていらっしゃらない場合は、一度会員になることを検討されてみてはいかがでしょうか。商工会議所(商工会)は地域で一定期間(例えば6ヶ月間)営業していれば、誰でも会員になれます。入会には審査もありませんし、他の会員の推薦なども必要とされていません。入会金なども原則として必要ありません。商工会議所(商工会)に出向いて、申込書を記入し、年会費(年間1万円程度)を支払えば簡単に入会できます。
商工会議所(商工会)のメリットはマル経融資だけではありません。生命共済制度に加入できたり、無料で法律相談や経営に関する相談に乗ってもらえたりと中小企業にとっては低コストで幅広いサービスを受けることができます。ですから、年間1万円程度の会費であれば支払っても損はないと考えられます。
経営指導を受けるのは大変なのか?
商工会議所(商工会)の推薦をもらうためには、商工会議所(商工会)の経営指導を受けることが必要となります。では、この経営指導を受けることは大変なことなのでしょうか?
商工会議所のパンフレットには「経営指導員による指導を受ける」と書かれています。「経営指導」や「経営指導員」という言葉からは非常に仰々しい印象を受けますが、実は非常に簡単なものです。
「経営指導員」は商工会議所等の職員の方々で、地域内の中小企業の経営者の方々の相談に乗ることを主な仕事としています。
「経営指導」はそのような経営指導員の方が2ヶ月に1回程度会社を訪問してくれて、経営者と事業の様子について話をするというものです。指導というよりは、「何かお困りのことはありませんか?」というスタンスで接してくれますので、決して高圧的な知識の押し売りではありません。例えば売掛債権の回収で困っているという相談があれば、無料の法律相談を紹介してくれますし、記帳の方法がわからないような場合は簡単なことであればその場でアドバイスがもらえます。難しい案件であれば、税理士などの専門家を紹介してくれます。しかも、商工会議所等の会費さえ払っていれば追加的な費用は必要ありません。
なお、経営指導を受けるには商工会議所等の会員になることが必要となる場合もありますが、地域によっては、経営指導を受けるだけなら商工会議所等の会員にならなくてもかまわないということもあります。お近くの商工会議所等に問い合わせてみると良いでしょう。
推薦をもらうのは難しいのか?
では、経営指導を受けたとして、マル経融資を受けるための推薦は簡単にもらえるものなのでしょうか?
結論としては、融資を受けても十分返済できると客観的に判断される会社にとっては、推薦は簡単にえられるものですし、そうでない会社にとっては難しいものだということになります。
推薦がもらえるかどうかの判断材料としては、やはり決算書が最も重要になります。何しろ無担保・無保証人での融資にあたっての推薦をするのですから、業績が順調で財政状態も良好でなくてはなりません。
決算書が良ければ、通常推薦まで6ヶ月間の経営指導を受けることが必要とされていますが、その期間が短縮され、4ヶ月程度でも推薦をもらえる場合があります。
推薦をもらえるかどうかは、経営指導員から話を聞けば大体のところは教えてもらえます。実際には、経営指導員が推薦を受けられると判断した会社を、月に一度開かれる審査会にかけます。審査会では委員の審査を受けることになります。経営指導員も審査会で推薦をもらえないと思うような会社については、初めから審査に回しませんので、経営指導員が審査会に回してくれれば、ほとんどの会社が推薦をもらっているようです。
このように、商工会議所等の推薦をもらうことはそれほど難しいことではないのです。
注意しないといけないのは、国民生活金融公庫が嫌う延滞などの事故があれば推薦をもらうのは難しいという点です。親戚が国民生活金融公庫からお金を借りる際に連帯保証人になったある社長さんは、親戚が国民生活金融公庫への返済をキチンとしていないために、推薦がもらえないままでいます。商工会議所としては、過去に問題が生じている方についてはどうしても推薦しにくくなるのは当然のことですね。
そんなに多くは借りられない
では、商工会議所等からの推薦をもらって、このマル経融資を受けるとして、一体いくらくらいの借入れが可能になるのでしょうか?
先に、マル経融資の条件を列挙しましたが、現在のところ別枠を併せて融資限度額は1000万円となっています。しかし、1000万円の限度額一杯を借りるケースは多くありません。
もともと、マル経融資は従業員20名以下(商業・サービス業は5名以下)の小規模な事業者を対象とした融資制度です。従業員数が20名以下の会社ですと、年商が1億円に達しないケースも少なくありません。必然的に、融資金額も小さなものとなります。平均すると400万円程度のものではないでしょうか。
無担保・無保証だが金利は若干高い新創業融資制度
無担保・無保証の融資制度としては、マル経融資のほかに、「新創業融資制度(新規開業ローンの保証人特例措置)」があります。
この制度は、開業時または開業後に必要となる事業資金を無担保・無保証人で貸してくれるものです。開業したばかりで、マル経融資を受けられないが、無担保・無保証人で借りたいという場合には検討してみると良いでしょう。
ただし、金利は基準金利に1.2%上乗せされます。平成17年9月30日現在の基準金利は1.55%ですので、合計で2.9%となります。普通の銀行などと比較して、高くはありませんが、低利とはいえないかもしれません。
第三者保証人等を不要とする融資
先でも説明しましたが、国民生活金融公庫から融資を受ける際には原則として保証人か担保が必要となります。1000万円くらいまでの少額の借入れでしたら、担保は不要で保証人だけを用意して欲しいといわれることが多いでしょう。
中小企業にとって担保不要はありがたいことです。なぜなら、担保価値のある不動産を必ずしも所有しているとは限りませんし、仮に不動産を所有している場合でも他の借入れの担保となっているケースが多いためです。
国民生活金融公庫からの借入れに際して、同一生計の家族や、自社の従業員は保証人として認めてもらえません。なぜなら、これらの人々は借入れをする事業主や会社から給料や生活費を得ている人ですから、事業主や会社が倒産するなどした時には、国民生活金融公庫に対して返済するだけの資力がないと考えられるためです。
しかし、国民生活金融公庫では、便利な融資の制度を用意してくれています。第三者に保証人になってもらうことができないし、不動産などの担保もありませんというような事業者や会社に対して、保証人の範囲を広げる制度が導入されているのです。それが「第三者保証人等を不要とする融資」です。
この制度によれば、事業主の奥さんが保証人になることで国民生活金融公庫から借入れをすることも可能です。なんとか融資を受けられるという事業主さんも多いのではないでしょうか。
ただし条件があります
ただし、この「第三者保証人等を不要とする融資」を受けるためには次の条件を満たす必要があります。
「第三者保証人等を不要とする融資」を受けるための条件
1.税務申告を2期以上行っていること
2.所得税等を期限内に完納していること
3.最近の業績等から第三者保証人や担保がなくても融資できると認められること
この3つの条件のうち、1と2は比較的簡単にクリアできるでしょう。ただし、開業したばかりの方には1の条件がネックになります。その場合は新創業融資制度をご利用になってください。
結局、3番目が最大の問題になります。業績が良くなければ融資を受けることはできないのです。業績が悪いから保証人も担保も用意できないというケースが多いと思いますので、この点はなんだか矛盾を感じます。しかし、保証人を身内からしか用意できないのであれば、より一層事業の利益を元に返済できなくてはならないという考えです。これは融資する側にとってみれば当然の要求です。
「第三者保証人等を不要とする融資」の条件は以下のとおりです。
融資額 :1500万円以内
返済期間 :運転資金5年以内。設備資金10年以内。
利率 :基準金利+0.9%
連帯保証人:法人営業の場合は、代表者のほか必要に応じてその家族・社内の者。
個人営業の場合は、家族又は従業員。
ここで注意したいのは、普通貸付と比較して金利が0.9%高いということです。これは、第三者の保証人がいない分、貸し倒れの危険性が高いため金利が上乗せされるのです。
一般の銀行などからの借入れでも、担保や保証人が十分でない場合には、金利が高くなりますので、これは当然のことといえましょう。
信用保証料などが不要ですので、0.9%の上乗せであれば、むしろお得だといえるかもしれません。
新規開業資金
国民生活金融公庫では、新規開業のための資金も借りることができます。ただし、脱サラでまったく経験のない仕事を始める場合などは、借りにくいと考えておいて下さい。
なぜなら、事業をこれから始める人に対してお金を貸す場合には、過去の実績をみようにも実績がありませんので、判断材料にできません。そのため、事業を開始するまでの経歴などを参考にして、新しく始める事業が順調に軌道に乗り、返済を進めていけるかどうかを判断することになるのです。
融資の限度額は7200万円(うち運転資金は4800万円以内)と定められています。
しかし、実際に開業資金でこの限度額一杯を借りられるのはお医者さんなどごく一部に限られます。制度はありますが、それほど甘い話でもないことに注意しましょう。
借りるために必要な手続き
国民生活金融公庫でお金を借りようとした場合、まず最寄りの国民生活金融公庫の支店窓口に相談に行くことをお勧めします。国民生活金融公庫は、どんな小さな商売をしている事業者であっても親身になって話を聞いてくれます。ですから恥ずかしがることなく相談に行ってみましょう。
相談に行くと、融資を受けるための手続きや、どのような融資を受けるのが良いかを説明してもらえます。この時に、借入申込書などの用紙をもらうことになります。用紙を入手するだけでしたら国民生活金融公庫のホームページからも入手することができます。
借入申込書を入手したら、必要な事項を記入し、登記簿謄本など提出する必要のある書類を準備します。なお、国民生活金融公庫から融資を受けるために必要となる書類は以下のとおりです。
(個人事業者の場合)
1.借入申込書
2.最新2期分の確定申告書・決算書
3.見積書(設備資金を申し込む場合)
4.不動産の登記簿謄本(不動産担保の場合)
(法人事業者の場合)
1.借入申込書
2.最新2期分の確定申告書・決算書
3.試算表(決算後6ヶ月以上経過している場合)
4.見積書(設備資金を申し込む場合)
5.法人の登記簿謄本
6.不動産の登記簿謄本(不動産担保の場合)
(新しく事業を開業する場合)
1.借入申込書
2.新規開業計画書(公庫所定の様式がある)
3.見積書(設備資金を申し込む場合)
4.法人の登記簿謄本(法人で開業する場合)
5.不動産の登記簿謄本(不動産担保の場合)
面談が最も重要
借入れの申込をしてから約1週間後に国民生活金融公庫の担当者と面談することになります。面談では、決算書に基づき、これまでの事業の実績を質問されるほか、借りた資金をどのように事業に活かして行くのか、どのような収支が見込まれどのように返済して行くのかといった計画についても質問されます。
国民生活金融公庫の担当者は融資の審査のプロですから、必要な事項は漏れなく質問してきます。こちらは、面談のプロではありませんから、上手に答えることができないことも多いでしょう。しかし、その場合でも国民生活金融公庫の担当者がキチンと答えを導き出せるように手助けしてくれます。面談の際には、素直に事業の状況をありのままに話し、希望を率直に伝えるのが良いでしょう。
担当者が独断で融資を決裁するわけではない
あたりまえのことですが、融資の決裁は担当者が勝手に決めるものではありません。面談の結果、融資できそうだと判断すれば、国民生活金融公庫内での稟議にかけます。ここで重要なのは、稟議書を見た国民生活金融公庫内部の人に、融資することが合理性をもっていると思ってもらえるかどうかです。面談の担当者は何とか納得してくれても、その上役の方が納得できないようですと、融資はしてもらえません。
融資を受けるためには、誰もが納得できる資金使途や返済計画が必要となるのです。
決裁が下りてから融資実行まで
国民生活金融公庫の内部で融資の決裁が下りてから、契約書を作成するなどの手続きをとることになります。契約書など必要な用紙は国民生活金融公庫が用意してくれますので、借り手としては、必要事項を記入し、押印するだけです。
そして、これらの書類を提出してから早い場合ですと2~3営業日で融資実行です。借りたお金が銀行預金口座に振り込まれます。不動産担保の場合は、抵当権設定のために時間がかかりますし、保証人に書類を用意してもらうのに時間がかかれば、これよりも日数を要することになります。
面談後、何日ぐらいで融資が実行されるかが最も気になりますが、これはケースバイケースです。実際には、既に取引のある会社が借り換えする場合であれば面談の翌日に決裁が下りるケースもあるようです。ただし、はじめて融資をお願いに行くようなケースですと、どんなにがんばっても面談後1週間で決裁が下りるのは難しいでしょう。面談からはおよそ1ヶ月ほどの期間が必要となります。
ですから、国民生活金融公庫からお金を借りる必要がありそうだと感じたら、早めに申し込みをしておくことが必要です。
開業計画書の書き方
新規開業のための資金を借りる場合は、開業計画書を作成することになります。開業計画書に書くのは、面談時に参考になるような基本的な事項ばかりです。
国民生活金融公庫は面談時のヒアリングを重視しますので、計画書が上手に書けなくてもあまり心配する必要はありません。むしろ、計画は自分の言葉で語ることが大切です。会計事務所などに依頼すればそれらしいものを書いてくれますが、実際のところが表現できませんのでお勧めしません。
自分の思い描く計画をキチンと伝えられれば国民生活金融公庫の担当者に好印象を持ってもらえることは間違いありません。
返済計画を示すことは最低限必要
面談では受け答えが上手にできなくても気にすることはありませんが、しっかりとした事業の計画を頭の中では立てていることが必要です。
特に、資金計画を示し、借りたお金をキチンと返済できることが説明できなければなりません。これができないと、国民生活金融公庫も融資していいものかどうか不安になります。
もし、資金計画を立てるのが難しければ、専門家に頼んでもいいでしょう。いくらまでなら借りても返済できるかといったことも見通しをたててもらえます。
ただし、必ず自分の頭で理解するように努めましょう。
銀行からの既存融資の借換えはできない
国民生活金融公庫が有利な資金調達先だということを知らずに、近くの銀行から既に資金調達してしまっている会社の場合どうすればいいのでしょうか?
国民生活金融公庫から借入れを行い、その資金で既存の銀行借入れを返済するべきなのでしょうか?
残念ながら、国民生活金融公庫は借り換えのための融資は行いません。なぜなら、既に民間の銀行が貸している会社に対して、借り換えのための融資を行えば、「民業圧迫」になってしまうからです。国民生活金融公庫はもともと民間の銀行からお金を借りることのできない会社のために国が用意した金融機関です。民間の仕事を奪うようなことは決してしません。ですから、借り換えの融資はしてもらえないのです。
既に借入れのある会社で、今まで国民生活金融公庫を利用したことのない場合には、新たな設備投資を行う際などに国民生活金融公庫の利用を検討すると良いでしょう。
人物次第で借りられることもあれば借りられないことも
国民生活金融公庫であれ銀行であれ、融資を受けられるかどうかは最終的には借り手(経営者)の人柄によるところが大きいものです。誠実で、コツコツと仕事を積み上げて行くタイプの人には誰もが協力したいと思いますが、実際にこのような人ほど返済も滞りなく行われることを金融機関の方々は経験上知っています。
特に、最近では銀行が自己査定の導入により、経営者の人物よりも決算書を見て融資をするようになったといわれますが、国民生活金融公庫は今も昔も変わらず人物をじっくり見極めています。
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